大森海苔 丹右ヱ門の記憶

~300年の歴史がある海苔漁場であった大森の過去と現在~

海苔のふるさと館・消えゆく老舗

本日は気になるものを確かめると同時に、海苔のふるさと館の職員の方に自分が調べた海苔漁家の歴史をお話に向かいました。 



東京モノレール昭和島付近のふるさと浜辺公園。京浜急行大森町からでも徒歩20分もしないで行けます。(遠くからくる人はこちらからの方が古い商店が並ぶ美原通りを通っていくためおススメ)2008年に出来た公園で、埋め立てでの人工でありますが、砂浜があり都内では初めての区立海浜公園です。

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去年から10月にしながわおおた水辺の観光フェスが開催されました。こちらの公園ではドローン体験・ビーチスポーツ体験にライブスタジオ・キッチンカーが揃い、モノレール天空橋駅からは浜辺公園までの船が出たりイルミネーションだったりで、最後には花火2000発でしめるという大々的な祭りでした。東睦会が神輿を新調されたという事でお披露目も見れたそうです。
因みに今年は花火は難しく光と噴水のショーでした。空港も近く、高さ制限があったりと色々問題があるそうで・・・
観たかったのですが、自分は今年も合わせて仕事の都合で行けず残念です。
青年会でお話した時に、主催側の区議会員の塩野目さんは「リゾート地の様にしたい。」と仰っていました。

以前は売店のみでしたが、今ではレストハウスが出来たりと、どんどん憩いの場として魅力が上がっていると感じます。



そして道なりに進むと、海苔のふるさと館が見えます。丁度10周年です。


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中に入ると立派な木造の海苔船が目に入ります。


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昭和30年代造船の最後の大森の海苔船、伊藤丸(全長13m)です。

海苔漁業が終わった後は釣り船として活躍していたそうです。

昔は何百隻と存在していたであろう海苔船が今ではこの1隻のみ。かつて一大文化を誇った海苔漁業でしたが、保存しなければ消滅してしまうという例の一つですね。しかし、立派です。勿論重要有形民俗文化財に指定されています。

当家では調査した限り3隻造船していますが、それは別の機会でお話致します。



中に入り、館内のライブラリーにある資料をいくつか確認していた時に職員の方から声を掛けられました。以前、こちらで地元の昭和の写真展をしていた時に担当をされていた三好様でした。せっかくなので、時間に余裕が出来たら作成した資料をお見せしたい事を伝え、その後にノートパソコンにて説明させて頂きました。結果、喜ばれて何よりでした。その後も分厚い史料を1時間ほど眺め、お昼が過ぎていた為空腹と眠気で参ったので、読み終えた後そそくさと挨拶し館を後にします。



帰りは老舗寿司屋で食べていこうと思い美原通りに向かいます。
美原通りは旧東海道。かつて江戸と京都までを繋いでいた参勤交代の大名行列にも使われた重要な街道。
昭和2年に拡幅改修、第一京浜国道となりました。



そんな美原通りにあるのは以前紹介した餅甚さんです。

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道なりに進み小さい橋を渡り、道が二手に分かれ左に曲がります。
こちらは旧羽田道、するがや通りと言います。


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更に左に曲がります。

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するがやと言うのは、かつて駿河屋という旅籠があったことが由来だそうです。


そして目的の日の出寿司に到着。
祖父の法事、父の一周忌で使わせて頂きました、江戸前寿司の老舗です。


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カウンターで気のいい板長さん。鉄火丼を注文し、昔の話をしながら出来るのを待ちます。
値段は中々ですが、他では楽しめない味です。今回は奮発しました。

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お勧めのネギトロ巻きもとても美味で、老舗江戸前の極上の一品です。

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付け合わせは、秋田名物いぶりがっこ。この間秋田旅行に行った為分かりました。この事から旅行の話になり、いくつかの御勧めの場所を教えて頂きました。是非とも行きたいので、チェックします。話は弾み、あっという間に2時間近く経ってしまいました。前回も同様に滞在し、これが地元老舗の醍醐味なんだなと感じます。




そして帰宅しました。

自分は出来る限り昔ながらの地元の店で食べれる時に食べたいと思っています。
理由は最近閉店されるお店が多い為です。それに、高齢夫婦で営んでいるお店が多く見られます。



これも別記事で紹介しますが、親子で楽しめる貴重な大正から続く甘味処が今年閉店してしまいました。シャッターが閉じ、その後も惜しむ声とお礼の張り紙が複数貼られています。他、来客時に出前で使用していた天丼の店も閉店しました。




そして、ここ日の出寿司も来年2月に閉店してしまいます。たまにカウンターで板長と地元の事を話しながら食べるのがとても楽しいので残念に思います。残り2か月ちょっと。長く営業した店を畳むまでの短い貴重な時間、行けるだけ行きたいと思います。
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